フィリピンの国花でもあるサンパギータは香りも良く、オイルや香水、シャンプーにも利用されることから、オーガニック好きの女子の間でも、フィリピンの花が気になっている方も増えてきているようですね。今回はフィリピンに咲く美しい花々をご紹介いたします。
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サンパギータ Sampaguita (Jasminum sambac)
フィリピンの国花サンパギータ (Sampaguita)は、ジャスミンの仲間の花。オリーブ科に属するつる性の灌木で、0.5~3m程の高さまで育ち、一年中綺麗な白い小さな花を咲かせます。良く見かけるサンパギータは花が一重のものですが、八重のものもあります。どちらも甘い香りを漂わせます。
国賓を迎える際のレイに使われています。レイは卒業式に卒業生の首にかけることもあります。カトリック教会で、その花棆がお供え物として売られています。
その他、香水や石けんの香料といった使い方や薬として鎮静作用があると言われています。
- 学名: Jasminum sambac
- 科・属名: モクセイ科・ソケイ属
- 英名: Arabian jasmin
- 日本名: マツリカ(茉莉花)
- 原産地: インド、東南アジア
- 開花期: 7~9月
- 花の色: 白
- 花言葉: 永遠の愛(eternal love)、清浄無垢、長すぎた春、愛想がよい
グマメラ Gumamela (Hibiscus rosasinensis)
フィリピンのハイビスカスGumamela (グマメラ)は、フィリピンのどこでも育つため一番ポピュラーな花です。赤いグマメラは多いですが、品種改良のためピンク、黄色、オレンジ、白など様々な色があります。
また、子供達のシャボン玉遊びとしても良く使われています。粘着性の液体が出てくるまで、花と葉は砕かれ、石けんと水に混ぜます。グマメラを使うことで割れにくいシャボン玉ができると考えられます。
- 学名: Hibiscus Hybrids
- 科・属名: アオイ科・フヨウ属(ヒビスクス属)
- 英名: Hibiscus、Chinese hibiscus、China rose、Rose of China
- 日本名: ブッソウゲ(扶桑花)
- 原産地: 世界中の熱帯~温帯地域に分布
- 開花期: 5~10月
- 花の色: 白、ピンク、赤、オレンジ、黄、紫など
- 西洋での花言葉:繊細な美(delicate beauty)
- 日本の花言葉:繊細な美、新しい恋
イランイラン Ilang-ilang (Cananga odorata)
Ylang Ylang (イランイラン)は、タガログ語で、花の中の花という意味を持ち、木は約12メートルの樹高に達します。イランイランの花は黄緑色、淡紅色または黄色で、ヒトデのように巻き上がり縮れた形状です。
シャネルなどの香水に使われているため、イランイランの精油は人気がありグレード(エクストラグレード・ファースト、セカンド、サードグレード)というものがあります。水蒸気蒸留法で取れる精油は、その蒸留時間が違います。グレードが高いほど良質で少量しか取れないです。中でも、黄色イランイランからよい香りの精油がとれます。
サンパギータとイランイランを一緒に使ったのレイは以下の写真に良く売られています。
- 学名: Cananga odorata
- 科・属名: バンレイシ科・イランイランノキ属
- 英名: Ylang ylang、Perfume tree
- 日本名:イランイランノキ(イランイランの木)
- 原産: 地熱帯(ヒマラヤ~オーストラリア)
- 開花期: 5~10月
- 花の色: 緑、黄
- 花言葉: 乙女の香り、誘惑
ワリンワリン Waling-waling (Vanda sanderiana)
ワリンワリンはラン科の植物で、1882年にミンダナオ島でドイツ分類学者のハインリッヒ・グスタフ・レイチェンバックによって発見されました。
1000種類以上のランがあるフィリピンにワリンワリンは「ランの女王」と言われ、フィリピンのミンダナオ島にしか分布しないランです。
ミンダナオでは着生するフダバガキ科の木で覆われる熱帯低地林の伐採が進み、ワリンワリンは絶滅の危機にあったが、組織培養によって再増殖が出来るようになりました。
- 学名: Vanda sanderiana
- 科・属名: ラン科・ヒスイラン属
- 英名: Sander’s euanthe
- 日本名: バンダ
- 原産: フィリピン、ミンダナオ島
- 開花期: 不定期咲き
- 花の色: 紫、青紫、白、ピンク、褐色、斑入り
- 花言葉: 上品な美しさ、華やかな恋、個性的、エレガント、身軽
サンタン Santan (Ixora coccinea)
装飾な植物として、もう一つ人気があるのはこの Santan(サンタン)です。丈夫で良く開花するということから人気です。
細長い花びらが4枚の赤い花が集まり、全体で見ると丸みを帯びた花序になります。花色は赤が美しく人気ですが、ピンク、橙や黄色などもあります。
フィリピンの民間療法では赤痢の薬として使われています。また、子供の遊びとして花を繋げて首輪にしたり、(写真のように)サンタンの葯を花筒から引っ張る出すと透明な液体が出ます。この液体は僅かな甘みがあるため、子供の頃に口にします。
- 学名: Ixora coccinea
- 科・属名: アカネ科・サンタンカ属
- 英名: Chinese ixora
- 日本名: サンタンカ(山丹花)、イクソラ
- 原産: 中国南部、マレー半島
- 開花期: 5~8月
- 花の色: 赤、ピンク、黄、橙、赤紫など
- 花言葉: 喜び、謹厳、張り切る、可憐熱き思い、神様の贈り物
ダマデノッチェ Dama de Noche (Cestrum nocturnum)
Dama de Noche (ダマデノッチェ)は、夜に咲く花です。夜8時くらいから咲き始め、とても強い甘い香りを漂わせる木です。
この花の変わったバイオリズムのため、フィリピンでは諸説や映画の主題になっています。日本でも夜香木(やこうぼく)と呼ばれています。
- 学名: Cestrum nocturnum
- 科・属名: ナス科・キチョウジ属
- 英名: Night jasmine、Lady of the night
- 日本名: やこうぼく(夜香木)
- 原産: 西インド諸島
- 開花期: 6~11月
- 花の色: 白
- 花言葉: 熱情、高貴な心
エバーラスティング Everlasting (Helichrysum bracteatum)
エバーラスティング(永遠)の名の通り、自然のままの色や形が長持ちする花。紙のような感触で、ペーパー・デイジーとも呼ばれます。
エバーラスティングといえばバギオで。そして、バギオではお土産としても人気です。長持ちするため、フィリピンの一般家の神棚(altar)に良く飾ります。
- 学名: Helichrysum bracteatum
- 科・属名: キク科 ムギワラギク属
- 英名: Strawflower
- 日本名: ムギワラギク(麦藁菊)、テイオウカイザイク(帝王貝細工)
- 原産: オーストラリア
- 開花期: 6~10月頃
- 花の色: 赤、ピンク、オレンジ、黄、白など
- 花言葉: 思い出、献身、真実、永久に、永遠の記憶、常に記憶したい、永久に記憶しなさい、いつも覚えていたい
最後に
フィリピンのお花の紹介はいかがでしょうか?花は飾るものだけではなく、子供の遊び道具や薬の役割もあります。プレゼントやお土産にもなります。
例えば、好きな人にサンパギータをプレゼントをし、花言葉の「永遠の愛」を誓ってみてはどうでしょうか?