マニラから約25キロのところにカーウィット・カヴィテ(Kawit, Cavite)があり、ここにフィリピン初代大統領エミリオ・アギナルドの自宅があります。1898年6月12日に、このカーウィットの自宅でフィリピン独立の宣言をしました。6月12日は、現在フィリピンの独立記念日で祝日となっています。1964年に博物館になり、スペインからフィリピン独立運動の歴史を知るために重要な施設です。
目次
アギナルド記念館について
- 場所:カーウィット・カヴィテ
- 開館日時:火曜日〜日曜日、08:00〜16:00(休館:月曜日)
- 入館料:無料
博物館正面の右側にガードマンがいる正門があります。ここに入ると庭からの見学ができます。この庭にすぐ目にはいるのは、アギナルドが使用したアメリカ製のクラシックカー、パッカードの展示です。1924年のモデルで、2009年に復元したものだそうです。
裏の方には、当時フィリピン革命の際にスペインと戦った8つの州の象徴する8つのフィリピン国旗に守られるようにアギナルドの墓があります。
館内の1階には、数々の貴重な資料が展示されています。アギナルドの靴、服、財布、剣を見ることが出来ます。
なぜかボーリングレーンがあります。恐らくカヴィテ州で初めてできたボーリングレーンだそうです。アギナルド家がお金持ちであることとアメリカもの好きであることが分かります。
爆撃から身を守るためのシェルターもあります。もともとは、隣の教会に抜けるトンネルでしたが、外から人が入らないようなにトンネルを壊してシェルターに変えました。
「国旗の母」マルセラ・アゴンシリオに国旗の作成を依頼した際の話や、現在のフィリピン国歌「Lupang Hinirang (Bayang Magiliw)」の元になる当時のスペイン語の歌詞など貴重な資料が多数展示されています。
2階には、広いスペースの大広間やダイニング等があります。台所には、アメリカ製の冷蔵庫やアイスボックスもありました。また調理の火を利用したボイラー設備もありました。当時、最先端のものがたくさんある家です!
この2階には、アギナルドの3人の娘の部屋があります。
一般公開しているのは2階までですか、ガイドにお願いをすると最上階の7階まで見せてくれることがあります。日本のお城に似た幅の狭い階段を登ると、3階の屋根裏、4階のアギナルドの長男の部屋、5階の三男の部屋、6階と7階は監視塔を見ることが出来ます。
最上階の7階に、4名のガードマンが四方を監視できる場所になっています。
外から見ると、この部分(窓)になります。
フィリピンの元祖「忍者屋敷」
独立運動時及び大統領になってからも、敵が多いアギナルド。それらの敵の襲撃などに対応できるように、シェルターの他にいろいろ仕掛けがあります。
例えば、この2階のテーブルは普通に見えますが . . .上の部分を開けると、この2階から1階のシェルターに繋がっています。
椅子の下やテーブルの横の部分に、秘密の書類などを隠す場所になっています。
最近のアギナルドのイメージ・評価
アギナルドは1964年に94歳で亡くなりました。亡くなる1年前にカーウィットの自宅をフィリピン政府に寄付しました。
フィリピンの革命家、初代大統領、英雄として評価されています。2015 年公開した映画「Heneral Luna」には、他の革命家アンドレス・ボニファシオの処刑とアントニオ・ルナの暗殺はアギナルドの命令によるものと紹介されました!
最後に
アギナルド記念館はマニラの近郊にある街でマニラからも比較的アクセスの良い所にあるので、マニラ観光の際にカヴィテにもぜひ足を運んで歴史探索をしてみてはいかがでしょうか?
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